スカウト運動の目的
 すべての運動には、「目的」があります。私達が参加している「ボーイスカウト運動」の目的とは
何でしょうか?世界スカウト機構(注釈1)では、以下のように定義されています。
スカウト運動の目的
 スカウト運動の目的は、青少年が個人として、責任ある市民として、地域、国、国際社会の一員
として自らの肉体的、知的、情緒的、社会的、精神的可能性を十分に達成できるように青少年の発達
に貢献することである。
(世界スカウト機構憲章 第1章 第1条)
そしてボーイスカウト日本連盟の目的とその普及する教育の目的は、以下のように規定されています。
ボーイスカウト日本連盟の目的
 この法人は、世界スカウト機構憲章に基づき、日本におけるボーイスカウト運動を普及し、その
運動を通じて青少年の優れた人格を形成し、かつ国家友愛精神の増進を図り、青少年の健全育成に
寄与することを目的とする。
(定款第一章第3条)
教 育 の 目 的
 本連盟は、ボーイスカウトの組織を通じ、青少年がその自発的活動により、自らの健康を築き、
社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信及び国際愛と人道主義
を把握し、実践できるよう教育することをもって教育の目的とする。
(教育規定1-3)
 ボーイスカウト運動は、レクリエーション活動を目的とするものではく、次世代を担う健全な
青少年の育成を目的とする社会教育運動のひとつです。
 それは、青少年自らがもつ潜在的な可能性を発揮できるように促し、社会の一員として責任ある
市民に育成することです。
 「責任ある市民」とは、より良き社会人ということです。人間は、けっして独りでは生きていく
ことはできません。家族、地域、会社、国などの組織に所属して生きていくことが必要となります。
その際に求められることは、ルールを守り、自分の責任を果たして組織やそこに所属する人々に
とって安全で有用な人物であるかということです。そのことによって信頼を得て、その組織で生き
ていくことができるのです。
 ボーイスカウトの活動は、異年齢の少年少女達の小集団を中心に、そこに成人である指導者が
指導・助言を与えます。また団委員や地域の様々な成人の協力を受けながらおこないます。人々の
つながり(=社会)を幼いときから経験することにより少年少女はより良き社会人として成長して
いきます。ボーイスカウト運動のような社会教育運動は、学校教育などと補完しあいながら青少年を
より良き社会人に育てるものだと考えます。

 ボーイスカウト運動の創始者ベーデン−パウエル卿のラストメッセージにある一文
「幸福を得る本当の道は、他の人々を幸福にすることにある。この世の中を君が受け継いだとき
より、少しでもよくしてあとに残すように努力したなら、死ぬときが来ても、とにかく自分は一生
を無駄にしないで最善をつくしたのだという満足感で幸福に人生を送り幸福に死ぬことができる。」

先達である私達成人は、次世代を担う青少年をより良き社会人に育成することが義務であり、
かつ自分が幸福な人生を送るためにも最善のものであると思います。

(注釈1)
  世界スカウト機構とは、世界のスカウト運動を取りまとめる非政治的国際組織です。
  世界スカウト機構は、世界スカウト会議、世界スカウト委員会、世界スカウト事務局の主要3機関からなり、
  皮膚の色、人種、宗教に関わりなく、スカウト運動の方法によって世界中青少年への奉仕と教育にあたる目的で
  メンバーである各国スカウト組織を援助しています。
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